『牛』と言えば。
秋になると『収穫祭』…!
昔。地元の市場の横にあった…。ただの広いグラウンドの
公園で『催し』が、ありました。避難所の公園です。笑)
その日は、舞台が組まれ、屋台が並び
地産の丹波栗や、黒豆。焼きイモに、ソフトクリーム。チーズケーキ ets.
を、販売していました。
その会場の隅の地面に、杭が打ち込まれ
大きな『牛』が、5.6頭つながれていました。
初めて近くで『牛』を、見ました。
「大きいねー。」
と、中学生の私達は、近づいて触ってみました。
牛たちは、みんな『こげ茶色』で
背中に赤や紫色の『高校野球の優勝旗』みたいな…。
房の付いたビロードの豪華な『布』が、掛けられ…。
『第〇〇回。農林水産大臣賞』や
『兵庫県知事賞。最優秀賞・優秀賞・奨励賞 』…とか
金色の『糸』で、刺繍してあります。
『結局。どの牛が、1番なのか?』
大臣賞?最優秀賞…? と。
子供だったので分かりませんでしたが
その牛たちは、どれも
つぶらな… 可愛い目をして「もーもー。」言っていました。
友達と牛さん達を、見比べて
「やっぱ。毛並みかな? 光沢があるよ。この牛。ピカピカだ!」
牛さんのまわりには、ハエが飛んでいて
しっぽで、払い落としています。
やはり、獣の匂いがして『落とし物』も、落ちていました。笑)
その背中をポンポンと、触って
「こんな所に、おめかしして、連れて来られて。どーしたの?」と。
「ここで、牛乳が、飲めるとか?」
と、のどかな私達…。
そして、急に、友人が
「うわーっ! 見て見て! さっきの牛! 」
舞台では、今まで『和太鼓』を叩いていたのに
今は、頭にハチマキを巻き、ハッピを着たおじさんが
ロープを、引っ張って『牛』を、引っ張り上げています。
司会者が
「この牛は『大吉号』兵庫県三田市〇〇牧場。みごと今年の農林水産…。」
と、紹介しています。
見ているたくさんの人から拍手・歓声が、あがりますが…。
横のおじさんが
「うわーっ。美味しそうやな~!」
前のおばさんが
「100g。いくらやろ? 私の口に入るかしら~?」
の、シュプレヒコールです…!
ハッピのおじさんも、表彰状をもらって、笑顔で『ガッツポーズ』です。
えっ。!?
中学生の私達も、つられて『拍手』しますが
このまわりの『人』の、割れんばかりの拍手と歓声は…?!の、意味に
そら恐ろしくなりました。
大人の目からすると、おいしそう…で、しかなく。
ウブな私たちは…
『えっ。あの。つぶらな目をした牛さん。食べられてしまうの?
えっ。家に帰れるのだろうか?
えっ。最後に、おめかしして、こんな所に、連れて来られて
えっ。お肉にされるの?!』
まわりの人たちは、2頭目をみて
「うわーっ。この牛も、ええなぁ~!」
と、私達は、顔を見合わせ、そそくさと、その場を後にします。
「お肉は、食べるけどさぁー。」
と、とっても複雑な顔の女子。3人組。
「私。しばらく。お肉食べない。」
ポソリ…と、友人の誰かが言いました。… が。
あんまり説得力が、ありませんよ… ね。笑)
だって。神戸牛も、三田牛も、但馬牛も。美味しいんですもの。
お肉からは『牛さん』が、きっと食べたであろう
牧草の香りや、風味がします。
結局。食べるんだ! 私。がぉ~! 肉食 …!
最近は、高価になりすぎて、買えませんが…。残念…。
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お読みいただきありがとうございました。