今年は、ねずみ年の『うるう年』!
ねずみは、大黒様のお使いで五穀豊穣・子孫繁栄…。とか。
私は、ねずみと、言えば…。
「ねずみの歯~と、代えてくれ!」よっこらしょ!…と。
抜けた乳歯を、下の歯ならば屋根の上(天井裏)
上の歯ならば、縁(床)の下へ、投げる習慣がありました。
投げる時に、この『呪文』を大声で唱えます。
小さい声だと、ねずみに聞こえないそうです。…本当かな?
その当時。祖父母は、通いで、平屋(1階建て)の
小さなお店を、借りていました。
私の家も、祖父母の家も、2階建て。だったので
その店は、屋根に向かって、歯を投げるのに好都合でした。
8畳ほどの店舗と、同じ大きさの和室(1室)と、トイレでした。
その土間からの上り口が、高床式のようになっていて、床下があり
逆さまに、のぞくと真っ暗で、本当にネズミが、いそうな空間でした。
もちろん。そこは、上の乳歯を投げるのに好都合でした。
「ねずみの歯~と、代えとくれ!」どっこらしょ! と
母や祖母と、乳歯を見送りました。
そのお店は、ご近所のかたが、市場で買い忘れた物や
重たい物を売る『お店』で、卵から青ねぎ。ちくわ。りんご・みかん…。まで。
『かゆい所に手が届く…』ようなお店で、重宝されていたのでしょうか?
小学校の帰りに、私が行くと
いつも祖母のまわりに、割烹着やエプロン姿の
ご近所のおば様や、おばあ様たちが、店の奥に座っていて
手作りの漬物や、おやつのカステラやらを
持ち寄って、おしゃべりしていました。
そのお店は、しばらくして祖父が、病気になり辞めました。
三軒長屋で両隣のお店も、みんな出て行き、ずっと空屋になっていました。
そして。震災後ー。
たまたま。小学校からの友達の実家が、やはり震災で半壊したので
大幅にリフォームしたから、見に来てよ! と、誘われて
行った時に。
ちょうど。
祖父母のお店を含めた、三軒長屋の解体作業をしているところでした!
それも。屋根にロープをひっかけて、引っ張っているところでした。
あー。あああ~。
あの屋根の上には、私の乳歯が!
あー。床の下にも、私の歯が~!
私の歯のゆくえは…!?
水をかけながら、ショベルカーが、木のガレキの上を
斜めになりながら壊していきます!
そして、後日。きれいに整地され、そして駐車場に…。
私の歯。運が良ければ、この付近のコンクリートの下の土の中に
はてさて? 何本かは、埋まっているかも知れません。
ここまでいくと…。ポエムですね。
ここの駐車場のコンクリートの下には
きっと私の乳歯が、埋まっている。
今度は、ホラー?
ネズミさんたちは、どっちにしても
逃げて行きましたとさ…。… 昔話だ。
しかし。解体時に…。立ち会うなんて…!運命を感じます。
お読みいただきありがとうございました。
File.57.end.
p.s. 母は、そんなもの←(乳歯)とっくの昔に、雨に流れて
どっかへ行っているわ…。と。 ←それは、屋根の上でしょ!
床の下は…? by. 栞
そんな変なコト考えるのが『あんた』らしいわ。あきれるわ。
…。だそうです。
【過去ログ】は、駐車場つながりで、File.14. のお話です。↓